接客業から人生や社会を学んだ男のブログ

接客業から学んだことや、思い出、理論を、自分の想いの丈書くブログ

接客業でクレームをいただいたときの話①

私は自分で言うのもなんですが、

ほとんどクレームをいただいたことがありません。

もちろん、潜在的なクレームはわかりません、よ、、、。

 

大きいクレームは今まで2回いただきました。

 

一度目は、とても忙しいときに対応した女性のお客様でした。

 

当時働いていたファストファッションのお店では、

靴を取り扱っていたのですが、壁面の高い位置にある靴は

脚立などを使わないと取れない高さでした。

ただ、脚立はお客様も使えるように、安全な形のものが

置いてありました。

 

ある日、自身の業務、店舗の業務、お客様の対応に追われて

いたのですが、そんなときにその女性のお客様は

声をかけてくださいました。

 

「あの棚の靴を取って」

 

やや横柄な態度でした。

私は急いでいたのもあって、脚立に登り、手早くその靴を取り、

こちらですねと渡しました。で、業務に戻ろうとしました。

 

「隣の靴も取ってくれる?」

 

そう言われまた脚立に登り、手早く私は靴を渡しました。

で、業務に戻ろうとしました。

 

「あ、さっき取ってもらった靴の隣のも」

 

そう言われまた手早く取って、業務に戻ろうとしたとき、、、

 

「あなたね、接客する意思はあるの!?」

 

急に怒り始める女性のお客様。

 

「何かお気に障りましたでしょうか?」

と聞き返す。

 

「靴を取って渡して、すぐどこかに行こうとするあなたに

お客様をおもてなしする心が感じられないのよ」

「もういいわ、靴はいらない、帰る」

 

私はとりあえず謝罪がしたかったので追いかけ、

「申し訳ございません!」と頭を下げる。

 

「今更手遅れよ、この店にクレーム入れてやるから」

「あなたの名前と店の名前、本部に連絡してやるからね」

 

私は「申し訳ございません」と頭を下げ続けましたが、

捨て台詞のようにお客様はクレームのことを言い続け、

やがて店から去っていきました。

 

しばらくして、店長が出勤してきて、

ことの顛末を話しました。

私はその店舗のCSの改革に大成功していたので、

店長もぎょっとして、まさか〇〇君がねぇ、みたいに

叱るというよりは不思議そうに聞いてくれたのを覚えています。

 

「CSに油断は禁物だよ」

 

こう言ってくれたのを今でも戒めています。

 

結局、お客様からのクレームは店舗に届くことはありませんでした。

 

ただ、私は自分が今までうまくいっていたのもあり、

少し天狗になっていたことを反省しました。

 

「CSに油断は禁物」

 

この言葉はその時に本当に深く刺さり、

どれだけ接客が上手な人でも、日々工夫し続け、

一人一人のお客様を見て対応しているんだということを

学んだ経験になった出来事でした。